■9・紅葉山 養蚕に「冬」は来ない
汚れた繭やいびつな繭を取り除く「選繭」と呼ばれる作業。選りすぐられた繭だけが煮られて糸になる=松井田町の碓氷製糸
生糸は海を渡り、外貨を稼いだ。日本の近代化は養蚕に支えられていた。皇后さまが宮中で蚕を飼う習わしは、養蚕が国づくりの基本だったことの証(あかし)でもある。上州は養蚕の国。昔から宮中の繭づくりをお手伝いしてきた。
来年四月から六月まで、「皇居の御養蚕展」が県立日本絹の里(群馬町)で開かれる。同展には宮中秘蔵の写真や蚕具なども展示される。
(2001年3月13日掲載)