絹先人考

絹先人考

■2・吉田幸兵衛

金融制度調査のため渡米した伊藤博文(前列中央)ら調査団一行。後列左から4人目が幸兵衛(吉村屋幸兵衛関係書簡復刻版から
金融制度調査のため渡米した伊藤博文(前列中央)ら調査団一行。後列左から4人目が幸兵衛(吉村屋幸兵衛関係書簡復刻版から

成立したばかりの明治政府で大蔵少輔に就任した伊藤博文(一八四一-一九〇九年)らは一八七〇(明治三)年十一月、金融制度を調査するため渡米した。その出発前に撮影された調査団一行の写真に、新川村(現桐生市新里町新川)出身の生糸売込商、吉田幸兵衛が映っている。

渡米は幸兵衛が横浜に「吉村屋」を開いて八年後のこと。横浜通商為替会社頭取として、伊藤の渡米に同行する「御用商人」に上りつめていた。