絹人往来

絹人往来

■1・遺産

「この一体感が喜ばれている」。蚕室を改良したギャラリーでサロンコンサートを開いた浦野千代子さん(左)
「この一体感が喜ばれている」。蚕室を改良したギャラリーでサロンコンサートを開いた浦野千代子さん(左)

大正初期に建てられた養蚕農家の二階は、九十年の時を隔ててフォトギャラリーに様変わりした。棟木や梁がめぐらされた天井は高く、落ち着いた雰囲気を醸し出す。二十五日夜、ギャラリーで恒例のサロンコンサートが開かれた。出演者と聴衆の一体感あふれる独特の空間を、音楽が満たした。

浦野千代子さん(66)=高崎市上豊岡町=が「浦野家」に嫁いだのは、昭和三十年代後半(一九六〇年代前半)のこと。「昭和初めに養蚕はやめていた」そうで、千代子さん自身は養蚕を経験していない。