■39・挑戦
染色業 伊藤 久夫さん
繭の表面にあって、産毛のように見える「毛羽(けば)」から絹タンパク質を取り出し、ナイロンの布に付着させる技術が織物のまち桐生で生まれた。合成繊維と天然を組み合わせて作られた人肌に近い布は、敏感肌に悩む女性のインナー・ウエアなどに活用され、二月から県内のドラッグストアで販売が始まった。
開発に携わった同市相生町、染色・整理業のアート社長、伊藤久夫さん(64)は「天然物が素晴らしいのは分かっていても、正絹の品物はネクタイぐらいしか身に着けられない。シルクが持つ機能性だけでも多くの人に提供したい」と、開発への思いを話す。
(2006年4月30日掲載)