絹人往来

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■36・復活

養蚕農家 春山 康作さん
養蚕農家  春山 康作さん

五月に始まる春蚕に向け、桑園の管理は順調に進んでいる。本格的に養蚕を復活して、もうじき三年目を迎える。慌ただしい日々が少しずつ近づいてきた。

「群馬の蚕業を絶やしたくない。先祖代々、百年以上もお世話になっているんだから」。養蚕農家の春山康作さん(69)=吉井町本郷=は病気から癒えた体を気遣いながら、ことしもまた養蚕を続けることを決めた。

自宅は一八七九年に建築された昔ながらの養蚕農家。父・千蔵さん、母・みつさんの五人目の子供、待望の長男として誕生した。後継者として作業を手伝いながら学校に通い、高校卒業と同時に会社勤めと農業の兼業が始まった。

(2006年3月26日掲載)