絹人往来

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■63・糸作り

絹Soami運営 古橋 純一さん
絹Soami運営 古橋 純一さん

細く長い生糸。同じように見えても、一本一本表情が違う。よりのかけ方、精練の仕方でまるで違う風合いが生まれる。生糸の提供業者「絹Soami(ソアミ)」を運営する古橋純一さん(59)=前橋市日吉町=は四十年以上、糸作りの工程に携わっている。「糸を生かすも殺すも、撚ねんし糸と精練で決まる。何より大事な工程」。自信を持って断言する。

高校卒業後に桐生市内の原料商に就職、製糸場で買い付けた生糸を、撚糸、精練の工場に依頼して加工し、機屋の注文通りに仕上げる仕事に就いた。糸を見る目をみがき、機屋の高度な要求に応えた。

三十二歳で原料商として独立、十数年前からは義父から受け継いだ撚糸工場「門倉撚糸」も経営している。仕事の合間をぬって、独自に撚糸や精練を研究している。

(2006年10月22日掲載)