■66・情熱
富岡製糸場解説員 神保千代子さん
連休初日にあたった今月三日、富岡市の国史跡、旧官営富岡製糸場はにぎわいをみせていた。一日から見学コースが拡充され、繰糸場内部などが公開されるとあって人波が次々と押し寄せた。
「それではクイズです。この繭一つで何メートルぐらいの長さの糸が取れると思いますか」
三十人ほどの来場者を前に、富岡製糸場解説員の神保千代子さん(63)=前橋市下阿内町=は数種類の繭が入ったケースを頭上に掲げ、元気いっぱいに話し始めた。
女性第一号として解説事業に携わるようになって七年目。生まれ故郷の近代化遺産が脚光を浴びている。自分の言葉でその魅力を伝えられることが楽しくてしょうがない。年月を経ても情熱は決して衰えない。
(2006年11月12日掲載)