■24・扇の要
機屋「江雅」社長 江原 毅さん(70)
一八八七(明治二十)年に創業した桐生市三吉町の老舗機屋、「江雅(えまさ)」を十一月中旬、養蚕農家や製糸業者が訪れた。「苦労して育てた繭が素晴らしい帯になる。見学できて良かった」。工場での仕事ぶりを目の当たりにした参加者はそう言って喜んだ。
江雅社長の江原毅さん(70)は「機屋と養蚕農家や製糸業者が直接交流する機会など、今まではなかった」と時代の変化を感じたという。
群馬は絹の国と言われ、養蚕・製糸・撚糸(ねんし)・織りなどの分業が高度に発達した。各工程は完結しており、それぞれの交流など考えられなかった。
絹産業の衰退を受け、「群馬の絹」活性化研究会は各工程の顔の見える関係構築に乗り出した。同研究会の会長でもある江原さんは「機屋が農家から直接繭を買い、製糸業者に糸にしてもらうことも必要になる」と考えるようになった。
(2005年12月4日掲載)