絹人往来

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養蚕農家 石坂 昌之、義久さん
養蚕農家 石坂 昌之、義久さん

六月二十九日のこと。みなかみ町小川(旧月夜野町)の石坂さん宅で、父の昌之さん(59)と長男の義久さん(26)が繭の出荷作業に追われていた。今年最初の繭は、豪雪と春の遅れが響き、「やや小さめ」。それでも出荷量は一㌧を上回った。

谷川連峰に近い山間部にありながら、本県一の収繭量を誇る。平野部と比較して、桑の生育期間が短いというハンディを押しのけての収繭量。大規模経営を目指す農家が循環式飼育装置など機械化を進めた中、独自の工夫で道を切り開いてきた。

養蚕は春二回、初秋、晩秋、晩々秋の計五回。一度に蚕種二十五箱(計七十五万粒)を掃き立てる。山間部ではかつて一㌧の繭を取ることさえ大変だった。だが、当時でも収繭量は三・五-四㌧。十年前にはついに五㌧に到達した。

(2006年7月23日掲載)