■3・語り部
島村教会の役員栗原 寿郎さん(73)
利根川の南側に広がる伊勢崎市境島村(旧境町島村)の片隅に、木造の小さな教会「島村教会」がある。創立は一八八七(明治二十)年。磨き込まれ、黒光りする床板が百年を超す信仰の歴史を物語る。
いまも礼拝には近隣の信者が集い、温かな交流の輪を広げている。信者の多くがお年寄り。その輪の中心に、栗原寿郎さん(73)の笑顔がある。
現在の島村だけを見ると、野菜栽培が盛んな農業地域になぜ古い教会があるのかと不思議な気持ちにとらわれる。栗原さんの家系に、謎を解く鍵がある。
(2005年6月12日掲載)