絹人往来

絹人往来

■22・紅絹

染色作家 吉村 晴子さん(70)
染色作家  吉村 晴子さん(70)

生糸で織った薄絹を真っ赤に染め上げた紅絹(もみ)。着物の裏地や合着などに使われ、重宝された。襟元や袖口などからちらりとのぞく鮮やかな色彩は、抑制された官能美を伴い、粋でファッション感覚にあふれる着物文化の発展に一役買った。絹の優しい肌触りは、女性の体を包み温める役目もしっかり担っていた。

紅絹を復活させようという取り組みが進行している。かつての産地だった高崎市を拠点に活動している「たかさき紅の会」が推進母体。旗振り役を務めるのが代表で染色作家の吉村晴子さん(70)∥高崎市相生町∥だ。

(2005年11月20日掲載)