■37・スカーフ
テキスタイルプロデューサー 小松偕介さん
四十平方メートル余りのこぢんまりとした事務所内には二段のアルミパイプが何本も走り、数百種類はあるスカーフやストールのサンプルが所狭しと掛けられている。さまざまな技法を凝らして仕上げた生地はそれぞれ個性を主張し合い、さながら見本市のようだ。
「『不良品が出る危険がある』『手間がかかる』とよその人がやりたがらない難しいものにこそ、挑戦しがいがある。世の中にない、新しい生地を作りたい」
小松偕介さん(71)=桐生市堤町=は、織りや編み、染め、加工など、産地が持つ技術を総合的に組み合わせ、高品質で独創的なテキスタイル(織物)を提案してきた。飽くなき挑戦の果てにたどり着いたのが、生地そのものの良さをじかに伝えることができる商品であるスカーフやストールだった。
(2006年4月2日掲載)