絹人往来

絹人往来

■61・芸術作品

染織作家 岡田 教子さん
染織作家 岡田 教子さん

室内に掛けられた鮮やかな配色の絣(かすり)。伝統的な技法と想像力の融合した作品が空間を彩る。生糸で織り上げられた一枚の布が“芸術作品”として輝きを放っている。

染織作家、岡田教子さん(35)=高崎市中豊岡町=は「ずらし」という技法を駆使して絣を制作している。染め分けられた経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を組み合わせ、綾織で表現される多彩な模様。視覚に訴える絵画的な要素を持ちながら、絣ならではの風合いを表している。

「作品は自分自身を投影したもの。それを表現する上で絹は意味のある素材。凜(りん)としていて研ぎ澄まされていながらも穏やかなイメージを布に持たせたい」

高崎市沖町生まれ。高校時代に興味を持ったテキスタイルで自分を表現しようと、女子美術大芸術学部工芸科で染織を学んだ。学生時代に自分らしい表現手段を探している中で、絣の技法に出合った。「絣を見た時、絵画的な要素を表現したいという思いが実現できると思った」と当時を振り返る。

(2006年10月8日掲載)