■20・天蚕
養蚕農家
登坂昭夫さん(62)美祢さん(59)夫妻
天蚕(てんさん)という鮮やかな緑色に輝く蚕がいる。クヌギ、コナラ、カシワなどの葉を食べ、成長すると葉の裏側に緑黄色の繭を作る。ほんのりと緑色がかった糸は、美しい光沢から「繊維のダイヤモンド」と称される。
中之条町山田の登坂昭夫さん(62)、美祢さん(59)夫妻は、天蚕収繭量で日本一を誇る養蚕農家だ。
天蚕は一九八〇年代、長期化した繊維不況の打開や村おこしの一環として一時ブームになった。登坂さんも十六年前、中之条町の振興策を受けて、先進地の長野県穂高町(現在の安曇野市)を視察、飼育に名乗りを上げた。
(2005年11月6日掲載)