絹人往来

絹人往来

■9・草木染

染色家 山崎 青樹さん(82)
染色家 山崎 青樹さん(82

木の根や皮、草の葉などの植物染料を使って染める「草木染」は「飛鳥時代にはあった」という古来からの染色法。その伝統を受け継ぎながら、新しい可能性を追求し、普及に努めてきた山崎青樹さん(82)=高崎市北久保町=は「絹でないと、いい色に染まらない。天然の素材には天然の植物染料が最適。いいものは必ず生き残る」と“絹の復権”を予言する。

そもそも、草木染は出発点で養蚕と結びついていた。

山崎さんの父の斌(あきら)さんが命名し、一九三二年に商標登録。斌さんはそのころ、世界恐慌で繭価が大暴落して困っていた農家を助けるため、故郷の長野県に手工芸指導所を設立。農家の副業として染色や手織物を奨励した。その染色法の研究から生まれたのが草木染だった。

(2005年7月31日掲載)