絹人往来

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解説本 子供にも分かりやすく 笠原 実さん(48) 太田市世良田町 掲載日:2007/07/11


解説本を手に「富岡製糸場を理解するため、多くの人に読んでほしい」と語る笠原さん
解説本を手に「富岡製糸場を理解するため、多くの人に読んでほしい」と語る笠原さん

 繭から生まれた妖精「ココ」と好奇心旺盛な小学4年の「まゆみ」の旧官営富岡製糸場を巡る旅―。
 富岡製糸場世界遺産伝道師協会(近藤功会長)編集の解説本「世界へはばたけ!富岡製糸場」は、富岡市内の小中学校で副読本としても利用されるなど、各方面で関心を集めている。
 同協会に所属する伝道師として、編集の中心となった。
 「子供たちに知ってもらう手助けをしたいと考え、伝道師活動の一環として作った。富岡製糸場についてまとまった書物がなく、整理する上でも良かった」
 解説本が完成したのは昨年3月。以前に、伝道師が共通知識を持つことを目的としたハンドブックの製作が計画されていたが、予算の関係で中断していた。その後、一般向けの解説本出版の話が持ち上がったという。
 「文字が少ないのが特徴で、小学生にも分かるように心掛けた。解説本に自分たちの経験を加えれば、伝道師にとっても活動する上で効果的だと思う」
 伊勢崎市職員の傍ら、2004年8月の同協会発足当初から、世界遺産登録に向けた啓発活動に取り組んでいる。
 「以前から近代化遺産に興味があった。勉強の方法が分からなかったが、01年の国民文化祭にかかわったことで近代化遺産を勉強する機会に恵まれた」
 「知り合いの養蚕農家を調べたら、面白くて興味が膨らんだ。富岡製糸場にも足を運んでみたいと思った。そんな矢先、伝道師養成の募集を見つけ、迷わず申し込んだ」
 伝道師協会は今年4月、市民団体などと協力し、「シルクカントリーぐんま連絡協議会」を結成。絹産業遺産群の地図と解説を記載した共通パンフレットも作製した。
 「世界遺産登録に向け、今後は県外の人にも理解してもらうことが大切になってくる。県民にも絹産業が必ず生活の中に眠っていることに気付いてほしい。それが、地域づくり、さらには世界遺産登録につながると思う」

(太田支社 臂真里緒)