絹人往来

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雑貨作り 銘仙の良さ知らせたい 山崎 知子さん(78) 太田市新田木崎町 掲載日:2007/09/18


作業部屋で銘仙素材の小物入れを作る山崎さん
作業部屋で銘仙素材の小物入れを作る山崎さん

 銘仙を使った手提げバッグや小物入れ、のれん、座布団カバーなどの雑貨を趣味で作っている。きっぷのいい性格で、出来上がったものは経営する造り酒屋の客にプレゼント。「見た目や肌触りがよい」と評判になっている。
 旧境町(現伊勢崎市)の機屋の長女として生まれ、結婚まで銘仙に囲まれて暮らした。最近は着物を着る人がめっきり少なくなり、10年ほど前から実家の機屋で銘仙が余るようになったことから、雑貨作りを思い立った。
 「小さいころ、母親から一寸四方の布きれがあったら無駄にするなって教わったのが、今でも体に染み付いている」
 「始めてみたら、生前の母がよく口にしていた『銘仙に針を通していると無心になれて落ち着く』という言葉の意味がよく分かった。すごくリラックスできる」
 作業は夕食の片付けが一段落した、午後9時ごろから2時間ほど。毎日の気分転換の時間となっており、今では作業しないとよく眠れないほどという。
 手提げバッグや小物入れは赤や紺、紫など色とりどりで絵柄もさまざま。当初は客に土産として渡していたが、ここ数年は欲しがる人が増えたため、販売もしている。
 のれんや座布団カバーなどは、顧客の飲食店に日ごろの感謝の気持ちを込めてプレゼント。酒屋の店内にも飾っている。
 「実家にしまわれたままの銘仙を、世の中に出せるのはうれしい。中には買ってもいいという人がいる。本当にありがたくて、商品とはいってもあげてしまうこともある。銘仙の良さを知ってほしいので、できるだけ多くの人の目に触れるようにしている」
 現在、自宅には多数ののれんや手提げバッグなどが保管されている。やがて、作品展を開催するのが夢だ。
 「もう歳なので、実現できるかは分からないけど、銘仙の絵柄や肌触りを知ってほしい。趣味とはいえ、せっかく作ったのだから展示してみたい」と抱負を語る。
 さまざまな絵柄の銘仙の巻物が高く積み上げられた作業部屋で、きょうも縫い付け作業が進んでいる。

(太田支社 松下恭己)