絹人往来

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着物 「和」の魅力伝えたい 谷畑 東史子さん  藤岡市藤岡 掲載日:2008/09/27


色鮮やかな着物や帯を前に着物に対する思いを語る谷畑さん
色鮮やかな着物や帯を前に着物に対する思いを語る谷畑さん

 3歳のころから日本舞踊の藤間流を学び始め、20歳で師匠から「松千鶯(まつちおう)」の芸名を許された。自宅では日本舞踊や生け花、着付けの教室を開き、若者らとの交流を通して着物や「和」の魅力を伝えている。
 「小学生のころから自分で着物を着てけいこに行っていた。洋服より着物を着ている方が多かった」
 東京で映画館や舞踊劇団を持つ興行会社の長女として生まれた。3歳の時に藤岡市で牛肉問屋を営んでいた伯母夫婦の養女となった。近くの日本舞踊教室に通い、5歳で東京・有楽町の日劇で初舞台を踏んだ。
 以来、県内外で数多くの舞台をこなし、今年8月には高崎市文化会館で開かれた藤間流日本舞踊の公演に参加。長唄「島の千歳」を披露し、あでやかな踊りで会場を魅了した。
 「舞台がとにかく好き。芸事の神様の浅草寺のお守りを必ず帯の中にしまっている。まだまだ勉強することがたくさんある」と向上心は尽きることがない。
 日本舞踊に対してと同様に着物への思いも強い。「着物も帯も100着以上ある。母の形見の明治の着物もあり、今でも着ている」。色鮮やかな着物の数々はキリのたんすに1枚1枚丁寧に重ね、香りをよくするために専用のお香と一緒にきれいにしまっている。
 「四季の感覚を大切にしている。サクラやフジなど花柄の着物は季節を先取りしたり、花見する時に着るなど条件に合わせて着こなしている」
 2年ほど前、知り合いから「浴衣の着付けを教えてほしい」と頼まれたことをきっかけに着付け教室を始めた。これまで若者や主婦ら大勢の人たちに着付けや所作、髪のまとめ方を指導。かんざしや着物と帯の色あわせなどもアドバイスし、時には衣装や小道具を貸したりしている。
 「はじめは慣れなくても、着ることによって板についてくる。絹の着物は生きている繊維。天然素材は体になじみ、背筋がまっすぐになって美しく見える。若い人たちが着付けを学びに来てくれることはうれしいこと。着物という日本の文化を少しでも多くの人に伝えていきたい」

(藤岡支局 林哲也)