絹人往来

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和裁指導 着物は手縫いが最高 笹反 貞子さん(68) 高崎市岩押町 掲載日:2007/07/24


「和裁を教えることに喜びや生きがいを感じる」と話す笹反さん
「和裁を教えることに喜びや生きがいを感じる」と話す笹反さん

 「自分の技術を学びたいと言ってくれる人がいるから、誇りが持てるし、生きがいを感じられる」
 和裁に携わって約40年。民生委員の仲間から頼まれ、週に1度、自宅で和裁を教えるようになったのは今年の4月からだ。
 高崎和裁教授会の会長を務め、精力的に活動している。同会は6月上旬から週に1度、同市山名町の技能開発センターで初心者向けの浴衣作り教室を開き、参加者に指導した。
 「少しでも和裁に興味のある人の役に立てればと始めたが、定員を上回る人気で、会員にとっても和裁を人に教える良い経験になった」
 初めから和裁士を目指した訳ではなかった。
 高校卒業後、保険会社に就職、4年間勤めて結婚を機に退職し、専業主婦となった。転機は1番上の子供が小学生になったころ。何か身に付けようといろいろと挑戦した中で和裁と出合った。
 通信教育では満足できず、30歳の時に高崎和服裁縫学校(現高崎和服専門学校)へ思い切って入学した。
 「周りは高校卒業したての若い子たちばかり。出だしが遅かったせいか、負けたくないという気持ちが強かった。一生懸命やり、その成果もあって、在学中から呉服屋の注文を受けることができた」
 実家は養蚕農家で、高校生の時まで桑つみや桑くれを手伝った。
 「両親から蚕のおかげで暮らせるんだということを聞かされて育った。それが直接の動機ではないが、私が和裁をしているのはやはり縁を感じてしまう」
 風合いを生かしたり、ほどいて作り替えるためにも、絹の着物は手縫いが最もいいという。
 中学校の選択授業で和裁の講師もしており、伝統技能の継承に力を注ぐ日々だ。
 「教授会の仲間がいるし、和裁を教わりたいという人がいるからがんばれる」

(高崎支社 今泉勇人)