絹人往来

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スカーフ ツツジの名所PR 原田 千絵さん(46) 東京都杉並区浜田山 掲載日:2008/01/10


原画をデザインしたシルク100%の「館林オリジナルつつじスカーフ」を手にする原田さん
原画をデザインしたシルク100%の「館林オリジナルつつじスカーフ」を手にする原田さん

 昨年12月に館林市観光協会が売り出した「館林オリジナルつつじスカーフ」の原画をデザインした同市出身の画家。
 スカーフの素材は、本県をアピールするシルク100%で、大きさは縦横53センチ。県立つつじが岡公園をモチーフに、女性の観光客を狙った土産品だ。発売1カ月で230枚余りが売れ、上々の滑り出しを見せている。
 父は県美術会参与の三瓶昭蔵さん(79)=同市東美園町=で、その背中を見て育った。市内の小中学校から足利女子高を経て、武蔵野美大(日本画学科)に進んだ。
 現在は創作活動の傍ら、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートポスターやパンフレットなどにイラストを描いているほか、オペラの舞台衣装、食器デザインなど幅広い分野で活動している。
 「古里に何らかの形でかかわりたいと思っていたので、スカーフのデザイン依頼があった時は2つ返事で引き受けた」
 これまでドレスや舞台の衣装などで素材としてのシルクとはかかわってきたが、スカーフは初めての経験だという。
 「天然素材なので発色は良いのに、にじみやすいなどデリケートな部分が多く苦労した」
 このためプリント作業は細心の注意を払った。メーカーにあらかじめ、技術を教えてもらい、その技術に沿って、14回色を塗り重ねて仕上げた。
 スカーフには、つつじが岡公園の全景にツツジの古木を多数配置、カップルや家族連れが散策したり、記念写真を楽しむ様子を描いた。特に気を使ったという4隅の色は、女性が好むものを選び、さまざまな結び方が楽しめるよう工夫した。
 予想以上の人気に、同協会は早くも増刷や綿素材のバンダナタイプの新シリーズの検討を始めている。「館林土産の定番になれば」との期待がかかっている。

(館林支局 子安悟)