着付け 高いレベルの技追求 塚越 美華さん(33) 高崎市倉賀野町 掲載日:2008/01/24
「職人仕事は毎日、こつこつ磨かないと」と話す
塚越さん
「ドレスもかわいらしくていいけれど、絹の着物は厳粛な感じがする。色打ち掛けは絢爛(けんらん)豪華。仕上がったときの華やかさといい、結婚の門出にふさわしい」
昨年5月、県美容コンクールの花嫁化粧着付競技の部で優勝。同年11月に前橋市内で開かれた全日本美容技術選手権大会で、上位3番目となる金賞2位に輝いた。
「県コンクールに10年くらい挑戦し、中振り袖の着付けで関東大会5位に入ったこともあるが、全国大会出場は初めて。地元開催に向けて昨年2月から、日本着付学術会が認定した名人の先生について特訓を受けた。結果を出せたことが自信になった」
競技は衿(えり)とじから化粧、かつら、補正、着付け、ぞうりをはかせるまですべてを時間内に仕上げる。極めたくて、着物が擦り切れそうになるほど練習を繰り返した。帯の幅や位置など、ミリ単位で体得した。
祖母(81)が着付けし、母(58)の営む美容室で遊びながら育った。
「4歳から日本舞踊を習い始め、小学校高学年になると、自分で浴衣などを着て日舞のけいこに行った。けいこ場には、先生の大きな舞台での着物姿の写真が飾ってあってあこがれた。着物は身近な存在だった」
東京都内の美容専門学校卒業後、都内で修業し、22歳で母の美容室に入った。妹(25)も美容師資格を取ったのを機に3年前、親子3代の美容室は高崎市下佐野町から倉賀野町に移転。七五三や成人式の着付けに加え、一昨年4月からは同市内のホテルでブライダルを手掛けている。
同年10月に結婚し、自らも花嫁を体験した。
「当日は自分が親せきにメークや着付けをして慌ただしく、裏方気分だったけれど、結婚準備の忙しさや花嫁さんのナーバスな気持ちに共感しながら話ができるようになった」
高いレベルを求めて昨年6月、日本着付学術会の学術委員の認定を受けた。
「着付けはその人をよりきれいに見せるもの。衿合わせ1つで老けて見えたり、だらしなく見えたりもする。多くの人に、きれいな着付けの良さを実感してもらい、着物に興味を持ってもらえたら」