絹人往来

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繭クラフト 作品喜ぶ園児励みに 高柳 和子さん(77) 伊勢崎市香林町 掲載日:2008/07/16


「若い人とおしゃべりを楽しみながら作っている」と話す高柳さん
「若い人とおしゃべりを楽しみながら作っている」と話す高柳さん

 かれんなサギソウや色鮮やかなアジサイ、愛らしい動物まで、多彩な繭クラフトの作品が部屋を飾る。繭を1枚1枚薄くはがして作り上げる、細やかな芸術作品だ。
 15年ほど前、県内の養蚕農家の女性でつくる養蚕婦人クラブで始めた。以来、日本絹の里やぐんまフラワーパーク、県庁などでイベントがあるたびに出掛けて、その技を披露してきた。
 「繭をうまくはがせて形が出来上がったときはうれしい。目が悪くなってはがすのが大変になりやらなくなる人も多いけど、私はまだ見えるから続けられる。指先を動かして頭の運動にもなるし、お花が好きだから間があれば作っている」
 生家も嫁ぎ先も養蚕農家。今でも春と晩秋の年2回、養蚕を続けるが、収繭量は250キロほどと少なくなった。繭クラフト用にも育てており、「花を作るためと出荷するためと、どっちが本業だか分からないね」と笑う。
 これまでは白い繭を染めて表現していたが、黄緑色の繭を作る「笹繭(ささまゆ)」という品種の蚕なども扱うようになった。「天然の繭は染めたものとは光り方が違う。この色は染めたんじゃなかなか出ない」と感心する。
 花のほかに、マスコットやえとを繭で作り、友人らに贈ってきた。友達の孫にパンダの人形をこしらえ、数年前にはウシを作って近所の幼稚園にプレゼント。えと作りは今年のねずみで一回りした。
 「小さな子が幼稚園のかばんに下げてるのを見るとうれしい。はしゃいで歌を歌ってたなんて聞いたこともあった」
 昨年から月1回、10人ほどに繭クラフトを教えている。新たに赤堀地区に移ってきた人が大半で、養蚕の経験はない。
 「繭に初めて触る人ばっかりだけど、若い人は積極的。話をするのが楽しいし、パワーをもらっている。秋の文化祭にクンシランを出すと、今から意気込んでいる」
 女学校時代から父が習わせてくれた生け花も、繭クラフトに役立っている。花の配置など共通する点も多い。
 「戦中戦後の混乱期も父がお花を続けさせてくれた。それが今に生きて、本当に感謝している」

(伊勢崎支局 高瀬直)